是枝和弘監督

緊急事態宣言も解除になり、少しずつ日常に戻り始めていますね。

「LOCAL FOCUS」で紹介しきれなかったことをお伝えしたいと、先月は小津安二郎監督のご紹介をアップさせて頂きましたが、続いては今の時代に活躍されていらっしゃる映画監督・是枝裕和氏のご紹介です。

鎌倉を舞台にした「海街diary」もすでに多くのかたがご覧になっていると思うので、日本人のみなさまには「今さら感」があるかと思いますが💧、外国人向けに英語ページにアップした内容をいちおうこちらの日本語ページにもアップさせて頂きます。

*** 是枝監督はヴェネチア映画祭やカンヌ映画祭でも何度もいろいろな賞を受賞されており海外でもよく知られている映画監督でしたが、2018年に「万引き家族」(英題 ”Shoplifters”) でカンヌ映画祭の最高賞 Palme d’Or を受賞したことで、さらに海外での評価と知名度は高まりました。

ドキュメンタリーの出身らしく、社会における不条理や、社会の底辺で生きる人たちの衝撃的とも言える現実を描いた作品が多いですが、2015年公開の「海街diary」(英題 “Our Little Sister” )は、淡々とした展開の中に、繊細な機微が観客の心の琴線に深く優しく触れるような作品。

是枝監督は「特に小津監督の影響は受けていない」と語っていますが、鎌倉の古い日本家屋で暮らす4姉妹の日常を描いたこの作品を見た時に、個人的には、女優の雰囲気や古い日本家屋の中の空気感、家族の関係の描き方などに、小津映画と共通するものを感じました。

本物のクリエーターは安易に人の真似をすることはなく、誰か他の人にインスパイアされることはあっても、自分の内側にある「表現したいもの」と向き合い、産みの苦しみをへてオリジナルの作品を生み出すもの。そうやって生み出された作品は、安易なコピー&ペーストやマーケティングありきの作品にはない「凝縮された普遍的な何か」をオリジナルの形で表現することにより、時代を超え、国を超えて私たちを感動させてくれるのだと思います。

私が「海街diary」から感じた小津映画と共通する何かは、もしかしたら単に鎌倉という土地や、「家族」「日常」という共通したテーマゆえかもしれないし、是枝監督が映画の脚本を書かれる際に、「茅ヶ崎館」という小津監督が常宿にされていた日本旅館の、小津監督が泊まられていた同じ部屋に滞在されることも何か影響しているのかもしれないし(LOCAL FOCUSのスタッフも1日だけですが、この小津部屋に泊まってLOCAL FOCUSの原稿の一部を書きました)、単なる個人的な意味のない感想かもしれません。

どちらにしても、小津監督も是枝監督も時代や国を超えて人の心を打つ作品を創り出す素晴らしい映画監督であることは確かなので、よけいなことは考えずに、小津監督の白黒映画に描かれた昔の鎌倉と是枝監督によって描かれた現代の鎌倉を見比べてみるのもおもしろいのではないかと思います。

                    (LOCAL FOCUS制作スタッフ・三木)

*是枝裕和監督公式サイト http://www.kore-eda.com

*「海街diary」公式サイト https://umimachi.gaga.ne.jp

*茅ヶ崎館公式サイト http://chigasakikan.co.jp


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