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小津安二郎監督

Updated: Jan 26, 2023

新型コロナウイルス感染の拡大が世界に広がる中で、医療現場や生活のインフラを支える仕事をして下さっている皆さんに感謝の気持ちを送りつつ、嵐が過ぎるのを待つ心境で自宅に篭っている私たちは、不安やストレスを感じると同時に、これまで当たり前だと思っていた日常生活が、どれだけ尊くありがたいものかを再確認しています。


LOCAL FOCUSは、ただメジャーな観光スポットやインスタ映えする飲食店を紹介するのではなく、その土地の自然、培われてきた文化、新しく生まれている文化、そしてその土地を心から愛する魅力的なローカルたちを外国人の方々に伝えるツールとして制作されましたが、残念ながら、しばらくは「旅行」という楽しみはおあずけになりそうなので、この機会にLOCAL FOCUSで紹介している人・映画・本などを、もっと深くその土地を知って頂ける情報として英語のfacebookページで紹介するシリーズを始めました。 鎌倉やゆかりのある方々についての日本語の情報や書籍やたくさんあるので、日本人のみなさまにはご存知のことばかりとなるかもしれませんが、こちらの日本語ページにも同じ内容をアップさせて頂きます。


まず最初に紹介させて頂くのは、映画監督の小津安二郎氏。

               (Photo: wikipediaより)


海外でも高い評価を得ているので、外国人にもよく知られている映画監督です。 鎌倉の隣町の大船に松竹の映画スタジオがあったため、小津監督は晩年を鎌倉で過ごし、「晩春」「麦秋」は鎌倉の各地で撮影されているほか、小津映画のレギュラーだった原節子さん、笠智衆さん、佐田啓二さんら俳優も鎌倉に住んでいらっしゃいました。

LOCAL FOCUSの制作スタッフの一人、フォトグラファーの横山泰介の叔父で著名な漫画家であった 横山隆一氏の自宅は、「鎌倉文化人」と呼ばれる作家や芸術家のサロンとなっており、横山氏と親交があった小津監督もよく訪れていらっしゃったとか。


LOCAL FOCUSでは、その横山氏の自宅跡にあるレストラン(p.091)や、小津監督がよく訪れていたお店(p.056, p.129, p.169) も紹介しています。

小津監督の代表作は 「東京物語」 ですが、この機会に鎌倉で撮影された 「晩春」と 「麦秋」をぜひご覧下さい。鶴岡八幡宮、鎌倉大仏、円覚寺、北鎌倉駅、海岸など今も変わらぬ鎌倉の名所を、小津監督独特の美意識と構図の中に見ることができます。

ハリウッド映画など刺激が強い映画を見慣れた人は「何がおもしろいのかわからない」と思われるかもしれませんが、今の "Stay at home" のタイミングでご覧になると、小津映画を通して「日常生活の美しさと尊さ」をしみじみと感じることができるのではないかと思います。





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